試作を含めて5台目になるスパイスケースですが、今回は製材から挑戦してみたものの順調に行くこともなくミスばっかりで最後に大きくやらかしました。
この失敗がみなさんのモノ作りに役に立てばうれしいです。
目次
使う材料は?
使用する材料の一覧です👇
- (面材) 栃
- (枠材) 朱里桜
- 蝶番
- 止め金具
- 鬼目ナット(サイズ M6)
- ステンレス製半ネジボルト(サイズ M6×200mm)
面材は栃を選びました。栃は美しい木目ですが、暴れやすい材質(反り・歪みなど)なので加工が難しい材料の一つです。できれば製材された材が欲しかったのですが、手に入らなかったので厚い板を購入して製材するところから始めます(実はこれがメチャクチャ大変…)。
枠材の朱里桜は硬木で加工がしやすい魅力的な材質です。手に入れた材がとても綺麗なので枠材で使うのはもったいない気持ちもしますが、強度・耐久性・ビスや釘の喰いつきを考慮するとやはり枠材として魅力的です。
似ている材で以前に使用していたウォールナットがありますが、今回は白い栃に合う淡い色の朱里桜にしました。
左が栃、右が朱里桜。うねるような木目がとても魅力的に感じます👇
~lanterntalk~







工程1 面材の製材
製材はとてもたいへんな作業なので今まで避けていました💦しかし製材されて販売されているものではどうしても納得のいく材が手に入らなかったので今回は頑張ってみようと思います。
まずは材を固定して切断(私は加工用のテーブルがないので庭に作ったウッドデッキの柱に固定します)。
ちなみに一番理想的なのはバイスを使って切断する方法です。
こちらがバイス👇(ネットはマジで安い。ホームセンターは鉄鋼用しか売ってなかったりする。なので木工用に改造しなきゃいけないし。こういった特殊な道具はネット購入が必須になりそう…)
ココがポイント
バイスなら固定の脱着が簡単です。しかし小さいテーブルに取り付けると鋸(のこ)を動かすときに振動でグラついてしまうので、大きくて重たいテーブルに取り付けるのが理想的です。
こんな感じで切断👇。途中で鋸の角度がズレたので中央部分に傷ができてしまいました(つまり仕事が増えてしまいました)。
そして16mmの板は鋸の切りしろでー2mmとなり6mmと8mmの2枚になりました(7mmを2枚にしたかったけど難しすぎました)。そして次は2枚の板の厚みを調整します。
2枚の厚みを同じにするために鉋(かんな)をかけるのですが、その前に表面の保護に養生テープをします👇
鉋の刃も研ぎます👇
あとはひたすら鉋がけします👇
注意ポイント
面材が反ってて削れない!!
ぜんっぜん上手く削れません…。
板は薄くなるほど反りやすくなる。そして栃はもともと反りやすい材質。さらに、そもそも材料が小さいので固定もできない。
めちゃくちゃしんどい。すでに下半身と二の腕が筋肉痛確定。
電動カンナがあればなぁ…(以前に使っていたモデル。これがあればなぁ…👇)
翌日に気づいた衝撃的な事実
木材を切断した直後は反っていた面材でしたが、翌日になると反りが落ち着いていました。
原因が全く分からないです。木材の性質なのでしょうか…。
とにかく再び鉋がけしていきます。
ちょっと愚痴を言いたい。
今回感じた木の性質のように、職人を目指していたら職人同士のコミュニティでしか知ることができない情報もたくさんあったんだろうなぁと思う。伝統的な技術とか書物には書き残せない繊細な加減とかもそう。
好きな事だから難しい技術や知識も習得したかった。私のような職人崩れはもう貴重な情報は手に入れることができないのだから諦めるしかないけど。
それでも進むしかないんだなぁ…
凹凸は差し金を使って平らになっているか確認しながら削っていきます(膨らんでいる部分はえんぴつでマーキングしてから削ります)
工程2 枠材の製材
面材の厚みが整ったら次はスパイスケースの枠材の製材をします。
厚みを25mm仕上げにしたいのでまずは27mmで切断します👇
次に25mmで仕上げていきます。これは即席のカンナ台👇。押入れを改造した私の作業部屋には鉋をかける場所がないので、板にビス止めした治具(加工するための定規)をキャンプのギアボックスの上に乗せて作業台の代わりにします。
こんな感じで25mm厚の正方形になるように削っていきます。
次に相欠き(両方の枠を半分ずつ刻んで合体する)加工します。えんぴつで印をつけて👇
鋸で切って👇
鑿(のみ)で削って👇
合体します👇
真ん中には面材が膨らまないように補強を一本入れておきます(蟻欠き加工をしたのですが画像を忘れてしまいました💦ゴメンナサイ)
注意ポイント
加工した場所に段差があると面材を貼ったときにスキマができるので気をつけましょう。
工程3 面材と枠材を接着
この工程はほぼ同じ内容になっている別記事の
【キャンプDIY】スパイスラック作りをリベンジした結果…予想外の展開に
を参考にしてください。。。
工程4 切断と仕上げ
接着したのを見ていきましょう👇
よく見ると製材のムラが見事に出ています💦
ここにも👇
この時点でかなり絶望的ですが、作業を進めていきます。切断するところをマーキングして👇
カット👇
パカッ👇
スキマは思っていたほどではないものの、やはりひどい。。。
継手部分はこんなにスキマが…(見た目ではうまくいったと思ったのに…)
ここなんて欠けてる💦👇
とりあえず表面の研磨をしたら最後に開口部をカットしますが…👇
ここが今回の最悪の失敗。最後の最後で開口部の右端に鋸の切断痕が残ってしまいました👇
原因は?
シンプルに集中力が切れた。ここの部分は切断直後にフタが落ちて面材が割れる危険があるので気をつけるところです。それもあってか鋸がブレてしまってこの通り。開口部はペーパーで削ると余計に汚く見えてしまうので、放置するかいっそのこと両サイドをスキマができる状態まで削って仕上げるかしかないです。
持っている胴付き鋸の刃渡りが短いのも原因の一つにあるので、次回は刃厚が太くなってしまいますが刃渡りの大きい鋸で切断しようと思います。
作ってみた感想は?
今回のスパイスケースを作ってみた感想を率直に申しますと、
- 製材から始めるのはハードルが高すぎる
- リトライするなら事前にもっと扱いやすい材を選ぶべき
- スキマができるなら無理して相欠き加工しなくてもいいんじゃない?
- っていうか継手加工は完ぺきに作らないと汚く見えるし
- つまり私にはまだ早いので継手加工はしばらくお休みする
- 朱里サクラは加工がしやすいけどビスを打つときはビス穴を大きめに掘っておかないとすぐに割れる
- 栃の反りが翌日に収まっていた原因が未だ不明
- スパイスケースの感覚は5mmくらい開けといた方が取り出しやすい
- まずは失敗しない方法で作るべき
それと一つ大事なこと。前回のケースで開口部をたしかフタの上部から27mmくらいで仕上げたらフタが開かなくなってしまったので今回は開口部を25mmにしました。そしたら今度はタレビンを取り出しにくい事実に直面しました。
利便性を考慮するに取り出しにくいのは避けるべきなので次回は27mm仕上げにしてフタを割らないように電動工具(インパクトにサンディングバンドを装着)で削ろうと考えています。
それにしても最後の開口部の失敗が本当に悔やまれます。
手工具とは思えない真っ直ぐな切断面。なのにやらかしちまった…👇
あ、あと後ろの蝶番を取り付けてから気づきましたが、蝶番の厚み分の溝を掘るべきだと感じた。あと、かんざし(地面に刺す棒)用の鬼目ナット開口部は7mmがベスト。
気づけばもう4台に。。。
まとめ)【キャンプDIY】スパイスケースを1から製材して作ったら最後にやらかした。。。
今回は時間を費やしただけあってかなり凹んでいます。。。大好きな栃を使って失敗したのも辛い。。。
しかしまだ諦めない。成功するまで作り続ける。
お疲れ様でした。