「ナエマの丘」

曲線試験

2021年8月5日

オアフ島の朝の海辺

 

スパイスケースを作り始めて20台を超えた現在では失敗もほとんどなく作業も効率よく進むようになってきた。しかし最近になって当たり前のようになった四角いフォルムとマンネリ化している自分の現状に不満を持ち始めてきた。同じものを作り続けるのは大事だと思うけど、何も考えずに同じものを作り続けるのは学ぶことを放棄したおっさんが昔の自慢話をひたすら続けるような愚かさにも似ている。

自分らしさを見つけて表現するべきだと考える。常に何かを吸収して生み出して経験値を積まなければいけない。一生とは言わないまでも手に取っていただいた方を感動させる、させ続ける何かを生み出さなければいけない。でなければ作る意味がない。

日本には技巧を極めた木工職人がたくさんいる。私が残りの人生を使い果たしても追いつけないような技術が残っている。が私はそこには入れない。その場所は既存であってそこにはしかるべき人が行く。仮にまねごとをして追いかけてそこから何かを派生するのも良いかもしれないが、私はもうその場所にはいれない。そこにいればいるほど苦しくなる。

 

私はどこへ向かうべきなのかを考える。私の持っているもの。これまでの失敗と挫折と後悔に埋もれた私のクソみたいな人生経験を生かせるなにか。それを探す旅。

 

私の感性。私の好きな曲線。抽象絵画にも時折見られる滑らかな曲線。反り鉋で描く曲線。

曲線の深さ、曲線の対比、曲線の交錯、曲線のバランス。それに触れていたいし眺めていたい。そんなものから作ってみようと思う。

 

以前に反り鉋の曲線を入れた作品。このライン。

完成したスパイスケース 1

完成したスパイスボックス1

 

このラインをもっと大胆にしようと思い、胴の長いコーヒー豆を入れるケースを作り反り鉋で削ってみた。

試しに両サイドを削ってみた。左右をずらして削ってみた。中が見えるまで削ってみた。

反り鉋のコーヒー豆ケース1

 

 

この曲線。中が見えるのは削りすぎかもしれない。

反り鉋のコーヒー豆ケース2

 

木目の曲線を意識するのもいいかもしれない。

反り鉋のコーヒー豆ケース3

 

曲線を眺めながらこの先の向かう方向を考えようと思う。

 

 

 

 

ナエマの丘はまだまだ遠い。それでも進み続ける。

 

 

  • この記事を書いた人

ケラ

とくに何もない人。何かが人より秀でているとか自慢できるスキルがあるとか羨ましがるキャリアがあるとかが何もない人。時折キャンプに行ってます。料理を作るのが好きですが食べるのはあまり興味ない。

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