本記事はスノーピーク社のキャンプテーブル、IGT(アイアングリルテーブル)に装着できるスパイスボックス「IGTスパイスボックス」を制作する内容となっています。
過去に4台くらい制作してきたIGTスパイスボックスですが、あまり作りたくなかった「最終形態」を制作してみることにします。
最終形態を作ることは避けていた理由は、
- 制作サイズが作業場の許容範囲を超えている。
- 材料費が上がってしまう。
この2つが原因でした。
恥ずかしながら私の作業場は和室の押し入れを改造した広さ1畳ほどの極小スペースなので400mmくらいのサイズを作るのが精一杯でした。今回制作するIGTスパイスボックスは幅が約500mmあるのでかなりしんどいのです、マジで。そして製作費ですが400mmの材と500mmの材とでは相場がかなり違ってきます。その辺りのリスクもあって失敗できないプレッシャーもあります。
それでは、いろいろ葛藤しましたが制作に入ります。
その前に完成したスパイスボックスを見たい方はこちら👇
スーパーでは手に入らないユニークなお肉が、500種類【ミートガイ】
目次
使用する材料は?
今回は「かりん」の銘木を使用します。鮮やかな木目と柔かい光沢が見ていて癒されます。
見た目はとてもキレイですが、製作者側としては苦難があります(後述します)👇
花梨が人気の理由がこちら。とにかく木目がキレイです。ペンブランク(ペンのグリップの部分)にもよく使用されます。
このようにペーパーで磨くだけで光沢がこんなに👇
いつもの留め加工をしてフランクリンタイトボンドで接着👇
こちらの花梨は油分が多く含まれているようでオイルフィニッシュしていなくても光沢がでます👇
さらに面材をフランクリンタイトボンドで接着。長手方向は若干の段違いがあるので(手工具&木の節があって真っ直ぐに製材できない)ボンドはベットベトに塗布します👇
ボンドが乾いたら端を切断します👇
ちなみに私の相棒ゼットソー硬木用の手鋸は「端材の切断用」と、「仕上げ用」の刃で使い分けています。仕上げ用の刃はだいたい10~15回くらい使うと(硬木を切断した場合)切れ味が落ちてくるので端材用に格下げしてます)。
端材を切り落としたらボルトの位置を特定して穴をあけます👇
👆ボルト加工については別記事で解説しているので興味ある方はのぞいてみてください👇
【キャンプDIY】IGTスパイスボックスの制作。さらにアップデートを試みます
苦難はここからです。
サイズが規格外なので研磨用の専用台木を作り直します👇
いつもの制作では上下に固定していたクランプですが、今回のスパイスボックスはサイズが大きすぎるので左右に固定します。
そして...ここからひたすら研磨します。花梨は硬くて油分も多めに含んでいるので研磨がしんどいです。
さらにサイズも大きいので「超しんどい」です。
体感ですが手工具でこのサイズは限界を超えていると痛感しました👇
そういえば最近はバークランプの締め付けが弱くなってきたような気がするなぁ…
買い替えの時期かも👇
2時間かけてもまだ半分くらい👇
さらに3時間かけて研磨と曲線加工を入れました。ここまでの工程で最初の研磨を含めると研磨だけで7時間くらい消費してます。
最近思うのですが、木工は「好きとか嫌い」っていうか、「変態か変態じゃないか」のような気がしてきました。スパイスボックスの表面を磨くだけで1日を使うってマジでクソだなって思う時もあります。っていうかそんな体力と気力がどこにあるんだよって話です(私がそうやって生まれてしまったからだと思います)。
人生の幸福度は好きなことにどれだけ時間を費やしたかってことに関係しているような気がします。時折制作にウンザリすることもありますが、人生の後半に好きなことを見つけることができた私は幸せ者だと思います。
フタを切断するラインを決めるためにオイルフィニッシュをした上からマスキングテープを貼って線を引きます(乾燥した木肌にテープを貼ると木目が傷むので)。
オイルフィニッシュをした表面は鏡映りするほど光っています👇
何度やってもこの時間は緊張します。最近は緊張をほぐすために筋トレをしてから切断をするようにしていますが、筋トレしすぎて手がプルプルする時もあります👇
表面は上手くいきましたが中の間仕切り部分に鋸刃の跡が原因の段違いができてしまったのでこのあと修正します(外観じゃなくてよかった💦)
ここで悲報
切り離したフタの中をのぞいてみると、中の間仕切りの角度が。。。
製品としての価値があるかは置いといて...これは修復のしようがないのでこのまま制作を続行したいと思います。
差し金はなんとなく名前の由来がわかるけど。なんで「スコヤ」って名前なんだろう…👇
フタの切断部分を磨いて整えたら、スパイスボックス内側のはみ出たボンドを除去します。基本はカッターと鑿(のみ)を使います。この作業はとても地味なので休日の早朝(4時半くらい)に起きてコソコソやっています。休日は犬氏の散歩や家族サービスなどあり、制作に当てられる時間は少ないので早朝の時間を有効に使っています。それに早起きしようと思うとお酒の量も減り(酒代も減り)、肝臓も元気になるのでとても良い習慣だと思います。👇
次にワグナー瓶とキャニスターを収納する間仕切りを作ります。使用する材は本体と同じ花梨にします👇
手工具なので前後左右に微妙なズレがあるので箇所ごとに採寸して作っていきます👇
加工あるある
「ボンド接着中に中身がなくなると死ぬほど焦る」
こんな感じで間仕切りを乗せる台を作って👇
はめ込むとこんな感じになります👇
最後にパッチン錠と持ち手の金具を取り付けて👇
オイルを隙間なく塗ったら👇
緩衝用のスポンジを入れて完成です👇
これにてIGTスパイスボックス最終形態の加工は全て終了になります、お疲れ様でした。
完成したIGTスパイスボックスは
こちらが完成した今回のIGTスパイスボックス最終形態。ペイペイフリマでは「フルスケール」って名前を入れて出品しましたが、すでに完売しています。
持ち手はゴールドにしてみました。花梨の木目と調和しています👇
こちらが問題の曲がった間仕切りです。事情を説明した上で販売しましたがすぐにどなたかが購入していただけました、ありがとうございます🙇💦
L字金具の収納場所もちゃんとあります👇
フルスケールの名前の由来がこちら。IGTの幅にピッタリ合わせて作ったのでまさに「フルスケール」なのです👇
~lanterntalk~













まとめ)【キャンプDIY】スノピIGTスパイスボックス、ついに「最終形態」へ突入。
以上でIGTスパイスボックス最終形態の制作を終了します。今回の作品は材料費・加工時間ともにバチバチに費やしたにも関わらず間仕切りが2,5mmズレてしまったのでとても悔しいです。次回の反省点にします。
ちなみに現在は以前からお伝えしていた「10CT 改」を制作中です。こちらはマジでカオスな作業ばかりでメンタルがバチバチになっています。研磨がしんどくて初めて妥協&挫折しました。
画像をちょっとだけ👇
ボックスの持ち手をまさかのポットで代用してるってマジでカオスです👇
全部収納するのがマジでしんどいです👇
こんなところにL字金具つけてどうすんだよって話です(見てる方は「もしや…」って思うかもです)。
こんな感じで現在も進み続けています。この記事を見てくれる方が心の中で「がんばれ」って言ってくれるだけで私は幸せです。ありがとうございます。
最後にキャンプ肉の宣伝だけさせて下さい…
キャンプで食べる肉には和歌山県のブランド牛、「熊野牛」を試してもらいたいのですが、最初に言っておきます。値段が高いです。。。
ちなみに私が特別なキャンプの日に注文する「焼き肉懐石~極~」はグラム単価で約2600円です(かなりお高い!)。一般的なスーパーで売っているノーブランドの国産牛は平均グラム単価が600円前後なので4倍以上の価値になってます。
しかし、「焼き肉懐石~極~」には一般市場には出回らないミスジ・カイノミなどの希少部位と、ヒレ・サーロインの高級部位がまとめて入っており、しかも高級ブランド牛の希少部位となれば味も格別。さらに扱いが難しい牛肉のユッケを販売できているのもお肉に対する品質の高さを裏付けています。
控えめに言っても価格に劣らない味を提供してくれる熊野牛はかなりスゴイです。
とにかく知ってもらいたい熊野牛の凄さは、「圧倒的な鮮度とブランド牛ならではの旨み」です。注文を受けてからカットした肉はすぐに急速冷凍されるので旨味を閉じ込めたまま食卓に届きます。
そしてキャンプでは、食べる時間に合わせて冷凍庫からクーラーボックスに移しておけば(近場の場合は前日に冷蔵庫で解凍をおすすめします)キャンプ場で最高の鮮度で最高の国産牛を楽しめます。
さらに当日の買い出しや、まさかの”肉”不足の事態に悩むこともなくなります。
熊野牛は自宅用の他にもお祝いや贈答品、お中元やお歳暮にもおすすめです。
記事を読んでいただいた方にぜひこの旨味を知ってもらいたいので、興味のある方は覗いてみてください👇
最後まで読んでいただいてありがとうございました。